今月読んだ本はこちらです。
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左上から時計回りに、

  1. 経沢香保子「すべての女は、自由である。」(ダイヤモンド社、2016/4/21)
  2. 出口治明働く君に伝えたい「お金」の教養: 人生を変える5つの特別講義(ポプラ社、2016/1/13)
  3. 林真理子「本を読む女」(集英社、2015/6/25)
  4. 木皿泉昨夜のカレー、明日のパン」(河出書房新社、2016/1/7)
  5. フジ子・ヘミング「あなたに届けば(To you from Fujiko Hemming)」(オークラ出版、2005/12/1)


続いて感想。
今月はどれも良すぎて、推してばかりの書評になってしまったが、うさん臭く思わないでね。笑
(斜体はすべて該当書籍からの引用)

  1. 私の尊敬してやまない経沢さんの最新刊。雑誌『DRESS』での連載に書き下ろしなどを加えまとめたもの。彼女の経験をもとに「女性だから」知っておく39のルールを提案されている。
    彼女の姿をメディアで拝見すると、いつもキラキラと輝いていて、また周りにいる起業家の方々も素敵な方ばかり。本著を拝読し、なぜ彼女がキラキラしているのか、わかった気がする。
    詐欺に遭われた話、トレンダーズを退任されたときの話、銀行に口座開設を断られた話、大学時代の恋の話。ここまで赤裸々に語ってくれるのかと驚くと同時に、こういった経験をお持ちなのは、自分がしたいことに正直にかつ実直に進んできた経沢さんだからこそと感じる。失敗を恐れて周りと歩調を合わせて生きていたら、こういった経験はできない。また様々なエピソードを明かしてくれたからこそ、ルールやそれを締めくくるメッセージとして書いてくださった言葉に重みが増す。私が特に胸に響いたのは以下の4つ。
    「本心を犠牲にしない。最優先すべきは自分が本当にやりたいこと。」
    「夢は大きければ大きいほどお得。たとえ、夢が実現できなくても、気づくと半分まで来ているはず。」
    「嫌なことは栄養。乗り越えるだけ人生が磨かれていく。」
    「毎日の習慣が、あなたを形作る。毎日丁寧に生きている人は美しくなれる。」

    読後感は非常にさわやかで、「あなたもできるよ!やってみよう!」と背中を押してもらったよう。どうせ私は経沢さんとは違うし・・・と卑屈にならず、夢を大きく持ってできることからどんどん行動していこう、経沢さんの行動力と圧倒的な努力を見習おう、と心から思った。

  2. 日生でご活躍ののちライフネットを開業し現代表取締役会長兼CEOの出口治明さんの新作「同じお金を使って同じ経験をするなら、少しでも若いうちのほうがいい」「人生もお金も「プラン」を立てないほうがいい」など、そうだよなと自分の認識を再確認する項目がある一方、そんな考え初めて聞いた!という目から鱗の話も。
    具体的には、よく若いうちから貯蓄はしときなさいと親や先輩方から口うるさく言われたりするが、著者は「『〇万円貯める』より、『毎月お金が入ってくること』が大事!」と繰り返している。これは非常に納得できる主張で、若いころしたいことを我慢して貯金すること自体今の時間を無駄にしていることになるし、そもそも何歳まで長生きするかわからないため貯金額も漠然としている。それならば、今お金を楽しく使いながら経験を積んで自らに投資をし、一生稼げる人間でいるほうがよっぽど人生充実してるし安心でもあるというわけだ。
    またここから派生する考えとして、「お金を稼ぐことは、『自由』という人生の選択権を手にすることに等しい」とも仰っている。経済的自由が人としての自由になるって、世の中に拝金主義って言葉があるようになんだか美しくない気がして明言しにくいのだけど、やはり現実はそう。戦後日本だけで根付いた専業主婦文化も、今後労働人口の減少により終わりを告げると仰っていて、男女問わず息長く働くことで自由が得られるなら何て素敵なことなんだろうと前向きに思えた。
    また貯金のルールや投資の始め方、おすすめの保険の種類など、生きたお金に携わってきた人だからこその理論で教えてくださっている。バイトを始めた学生や、新社会人、結婚などのライフステージの変化を迎えた人には、ぜひ読んでほしい。お金の出てくる蛇口が変わるとお金の不安も出てくるが、自分でお金のルールを作れることは、日常のストレスを非常に和らげる思うから。



  3. 林真理子先生のお母様がモデルとなった小説。はじめに言ってしまうと、この小説は間違いなく生涯であと3回は読み返す作品になるだろう。まず舞台が私の大好きな麗しき大正時代であるというのと、何より主人公万亀ちゃんに何度も「自分のことではないか?」と思えたため。見栄っ張りで子供に新しいことをさせようとするけれど、自分の手の届かないところや自分の好まない世界に子供が行くのは嫌がって引き留めようとする、感謝すべきなんだけどちょっとやっかいな母親の存在。本が大好きで何もせずに本だけ読んで生きていけないかと思っているところ。そんな願いは叶うはずもなく働くことになり、なんで人はずっと少女のままで生きていけないのかと悲しくなるところ。そして人生の絶望と思われる時期に本に助けられるところ・・・。 私のみならず、幼いころから本にのめりこみ、大人になってからも片足は本の世界に突っ込みながら生きているような人は、みな万亀ちゃんに自分を投影しながら読んでしまうのではないか。
    また、これだけ人を夢中にさせる人物描写・時代描写される林真理子先生はすごい。実はこれまで新書の『野心のすすめ』(講談社、2013/4/18)や、anan、OdakyuVoiceでのエッセイしか読んだことがなかったのだが、今まで自分はなんてもったいないことをしてきたんだと悔やまれた。早速6月は『白蓮れんれん』を拝読する予定。

  4. 久しぶりに心からあったかい気持ちになれた一冊。一人ひとりの登場人物が穏やかで、人に対しての目線が優しい。優しいがゆえに時々わっと感情がこみ上げて突拍子もないことをしてしまうのだけど、それすらいとおしく感じる。
    私としては、描かれる
    テツコとギフの暮らしに注目してほしい映画でいえば『海街diary』や『人のセックスを笑うな』と、勝手に同じ分類に入れたくなる感じ。どういう暮らしかというと、平屋の古い一軒家に、縁側からは大きな庭が見える。そこには大きな銀杏の木があって、秋になると銀杏を割り、冷たい水で洗う・・・。そこには確実に「暮らし」がある。都会に住んでいると、家は仕事から帰って食べて寝るだけの場所、住まいは荷物を置いておく場所、となっている人は多いのではないだろうか。本来は安らぎや四季を感じたり、自分や家族の生活を整え、生活自体を作り出す場所なのではないかとハッとさせられる。こういう暮らし方こそが、本当の「豊かさ」なのではないだろうか。

  5. 最後は、渋谷のヤフOFF!で出逢った、ピアニストであり画家でもあるフジ子・ヘミングの本。
    (フジ子・ヘミングの演奏を聴いたことがない方は、ぜひこちらをお聞きください。)

    恋をテーマに、見開きの左側に詩のような散文、右側にご自身の描かれた絵という構成の本著。言葉と絵を味わうとともに、著者の恋に対する思いを知ることができる。「いいピアノの音色を出すためには、恋も必要なこと」と書かれており、貧困や難聴に苦しまれたことは有名だが、素敵な恋愛もたくさんされてきたのだろうと思う。これだけ人の心を揺さぶる演奏ができるのは、自分の心もたくさん動かしてきたからではないか。tフジ子・ヘミングは猫好きでも有名で、絵には猫もたくさん出てきており、猫好きにとってキュンとくる一冊でもある。

    ★ちなみに、来月6月は、以下の本を読む予定。
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    本日本屋パトロールに行き、
    きれいな装丁に惹かれて手に取ったところ目に入った、裏表紙側の帯の「『未来は常に過去を変えている。』こんなこと考えたことなかった。すごいものを読んでしまった。」という推薦文を読み購入を決めた、
    ● 芥川賞作家平野啓一郎氏の「マチネの終わりに」(毎日新聞出版、2016/4/9)と、
    旬な方との対談が気になる、全著作網羅中の、
    ● 佐藤優氏「右肩下がりの君たちへ」(ぴあ、2016/3/31)の2冊を加え、5冊となりました。
    また来月末に感想を書こうと思うので、ぜひのぞきに来てください♪